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「ユング自伝」から経営哲学を考える

当社の制作業務においては、お客様の経営哲学に沿って制作できるようプロセスを設計しています。そのため、最も早い段階で必ずお客様の経営哲学を共通させていただくように努めています。

「ユング自伝 2」のなかの「旅」という章の中に、経営哲学の本質について表すような部分があったので紹介します。「旅」の章には、スイスの精神科医・心理学者であるカール・グスタフ・ユングが、旅先の文化や人々の宗教や価値観など、その地の人々の精神に影響を及ぼしている部分について書かれています。

ところで、人が古来から聖なるものの対象とすることの中に「太陽が昇る」という現象があります。太陽を神として崇める文化は世界中に存在しており、もちろん日本文化にもあります。最も迎えるべき瞬間は太陽が昇るその瞬間であるそうです。その対称に日が沈み暗闇が世界を包み込む、恐れる対象としての闇があり、災いを避けるための様々な儀式が行われるようです。

さて「ユング自伝 2」の「旅」の章に話を戻して、アメリカ大陸の先住民、プエブローインディアンが毎日屋根に上り太陽を崇める理由を語る記述にこんな一節がありました。

われわれは父なる太陽の息子たち。
そして我らの宗教によって、われわれは毎日、われらの父が天空を横切る手伝いをしている。
(ユング自伝 2 -思い出・夢・思想- みすず書房  p.75)

プエブローインディアンは、自分達を太陽の息子であり、毎日太陽が昇るのは自分達の活動によるものだというのです。こんなにも偉大な精神的プラットフォームの上に、生きて活動していることの理由があることに驚かない人はいないのではないでしょうか。

少し話が壮大になりすぎましたね。

ビジネスにおいてはこれにあたるものが、それぞれの経営哲学や経営理念ということになります。誰のためのビジネスなのか、何のためのビジネスなのか、なぜそのビジネスでなくてはだめなのか、経営哲学がお客様と企業の共通言語になります。軸を持っていることでビジネスは強くなります。軸をしっかり持って迷わずに活動をすれば、自ずと結果が伴ってくるのがビジネスではないでしょうか。本書を手に取って、心理学という側面から経営哲学について考えてみてはいかがでしょうか。書籍の詳細は下記のリンクからご覧いただけます。

(当記事執筆者:辻中 玲

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