高齢層マーケティングとインターネットを理解する上で、流通(小売)の業界がどのように変化しているかということについて少し触れたいと思います。大きなトレンドとしては、人口減少局面に入り、店舗を閉める・小型にするなど縮小の方向に動いています。その中でも増えている業態の一つが移動スーパーで、買物難民の救済に一役買っています。買物難民は基本的に高齢者なので、インターネット機器の操作が苦手で、ネットスーパーを使えない方も大勢います。店に来られない、ネットが使えないのであれば、こちらから商品を持って出向くのが移動スーパーというわけです。移動スーパーのおかげで、0だった消費が新たに生まれることになります。
世代構造がこれに似ているのが選挙です。候補者が待っているだけでなく、選挙区の各地域に出向くのは来られない方に会いに行くことが目的です。平成26年衆議院議員選挙の投票率は、20歳代の32.58%と比較して、60歳代は68.28%、70歳代でも59.46%と、高齢層は若年層の2倍以上のポテンシャルを持っていることになります。単純に考えて、インターネットでブログやfacebookに勤しんでいるより自転車で出かけて有権者に会いに行ったほうが2倍の効果があるというわけです。(逆にインターネットやブログでしかリーチしない層も存在します。)
これは人口構造とシェアのカラクリで、現状の日本においては、インターネット一辺倒での戦略が適切でないジャンルが多々あるということを意味しています。
お持ちのサービスや商品は、届けるべきターゲットに届いているでしょうか。是非一度、パブリックデータやシェアなどを見直して、ターゲットに確実に届けるべくメディアの戦略を最適化してみていただきたいと思います。