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「ビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす」からマネジメントを学ぶ

「ビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす」(ダニエル ゴールマン著 梅津 祐良訳 東洋経済新報社)から、組織運営のポイントを紹介します。本書によると、EQ(Emotional Quotient)は心の知能指数のことで、EQはビジネスで成功するための要素としてIQ(Intelligence Quotient ※知能指数)の3倍の貢献度を持つとしています。IQが高い人は「頭の切れる人」、EQが高い人は「空気が読める人」であるとすれば、空気が読めることはビジネスで成功するためには欠かせない要素であると言えます。 本書では、自己管理のためのヒント、企業(組織)マネジメントのためのヒントが数多く紹介されています。本書から、それぞれの重要なポイントをご紹介します。 自己管理のためのヒント 5つのEQの領域とは「自己認識」「自己統制」「モチベーション」「共感性」「社会的スキル」である タイムマネジメントは、時間の空費を排除する、自分を向上させるという達成意欲に支えられる 競争と継続的改善に対する情熱を備える 企業(組織)のマネジメントに関するヒント 組織の全てのレベルで不確実性に対して柔軟に対応する能力が要求される アイディアは協調から生まれ、能力の多様性は技術上の要求からはじまる 企業の目的のなかに「人間的側面」と「財務的側面」をバランスさせる 基本的戦略に組織全体でコミットする 組織内での「協力」「支援」「リソースの共有」を実現し、「イノベーション」「リスクテーキング」「組織学習」を促す 「認知能力」「技術的専門能力」「社会的スキル」「感情コンピテンス」に焦点を当て人的資産をマネジメントする すべてのステークホルダーとの間にオープンなコミュニケーションと信頼を築く 社内外に諸関係を築いてネットワーク化し、業績の向上に全員のエネルギーを集中させる 将来パートナーとして活躍できる人材、情熱あふれる家族的メンバーを雇用する 企業と人材との関係は、相互間の忠誠心という一語で言い表せる 事業の成功には、認知能力、技術的専門能力、社会的スキル、感情コンピテンス(感情能力)が欠かせないことが理解できます。皆様もEQを重視したマネジメントに取り組んでみてはいかがでしょうか。そのヒントが得られる本書のご一読をお勧めします。本書の詳細は下記からご覧ください。 (当記事執筆者:辻中 玲) ビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす ビジネスの決断を助ける「易」という哲学について ビジネスの意思決定を支えるアリストテレスの哲学「ニコマコス倫理学」の要約

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「ビジョナリーカンパニー ZERO」で自社のビジョン・戦略を考える

「ビジョナリーカンパニー ZERO」(ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著 土方奈美訳 日経BP)から、経営のポイントを紹介します。本書は、経営書の「ビジョナリーカンパニー」シリーズの原点となる書籍「ビヨンド・アントレプレナーシップ」(日本語未訳)を元に再構成されています。本書では「ビジョンはあらゆる階層の社員が意思決定するためのコンテクストとなる」として、企業文化とりわけ「ビジョン」の重要性を説いています。偉大な企業は「ビジョン」のもとに信頼と敬意、愛に根ざした文化を醸成してきたと結論づけています。 また本書では、「ビジョン」のもとで「リーダーシップ」「戦略」「戦術」「イノベーション」を実行するための具体的な方法も多く解説されています。本書から、経営にとって重要なポイントをいくつかご紹介します。 賢い会社は得意なことに集中する 目標は社員が主体的に決め厳守する 優先事項は3つまでとし、一度に1つのことに集中する ベスト(最高)はファースト(一番のり)に勝る 備えをする企業は常に先を走り続ける 分権化と自律性は他のどんな選択肢よりも優れている 偉大な企業はコアバリューを徹底するメカニズムを生み出す 下記の図のように「ビジョン」は3つの要素で構成され、「ビジョン」のもとで「戦略」や「戦術」が遂行されます。(細字は各要素の継続期間) 例として、この原則を元に当社(DIINC.)の企業文化について明文化したものが下記です。 ■DIINC.の企業文化 【コアバリューと理念】未来のために、最高の仕事をする 【パーパス】創造的活動を通して、社会の発展に貢献する 【ミッション】2030年までに、ビジネスデザイン業界で最も尊敬されるデザイン会社になる 【戦略】デザインとマーケティングで顧客のビジネスを発展させる 【戦術】ECマーケティング(経営コンサルティング × EC構築・運用支援 × オンライン広告)サービスを強化する ビジョナリーカンパニーでは、一貫して「正しい人をバスに乗せ、間違った人をバスから降ろす」ことの重要性を説いており、人材の採用や評価は言うまでもなく最も重要な企業活動の一つとなります。そのためにも企業文化の明文化は欠かせません。 偉大な企業であり続けるためには、ビジョンを持つことは必須要件と言えます。皆様も自社の企業文化の明文化に取り組んでみてはいかがでしょうか。企業文化がどのように企業の存続に関連するのか、そのメカニズムが理解できる本書のご一読をお勧めします。書籍の詳細は下記からご覧ください。 (当記事執筆者:辻中 玲) ビジョナリー・カンパニー ZERO ビジョナリーカンパニー -弾み車の法則- ピーター・ドラッカー「断絶の時代」

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危機の時代を乗り切る「マネジメントのヒント」〜経営書籍より〜

不確実性が高まる危機の時代を乗り切るマネジメントのヒントを、経営に関連する書籍よりまとめました。 市場を読め 株式市場に参加し、経済の原則を理解せよ。危機の時代の犠牲者になるな。参考:「危機の時代」ジム・ロジャーズ著 時代の先を読め 市場を左右する事実要因(人口動態など既に起こった未来)にもとづいて、優れた製品を効率的につくれ。参考:「GMとともに」アルフレッド・P・スローン著、「創造する経営者」ピータードラッカー著 本業に専念せよ 焦点を絞り込み、最先端の技術を使い、顧客第一の姿勢を貫け。それによって競争相手を潰せ。参考:「巨像も踊る」ルイス・V・ガースナー著 強みに焦点を当てよ 「今、ここ」で必要とされる能力に焦点を当てよ。採用は強さを伸ばすために行え。 参考:「HARD THINGS」ベン・ホロウィッツ著 得意分野に投資せよ 消費者が押しかける企業の株価は値上がりする。自らの得意分野に投資し、保有し続け利益を上げよ。参考:「株式投資の法則」ピーター・リンチ著 ニッチを攻めよ 成長するビジネスを発掘して進出せよ。製品ニッチか地域的ニッチで、業界一番手か二番手を維持せよ。参考:「わが経営」ジャック・ウェルチ著 生産体制を整備せよ 時間は競争上の武器となる。顧客の5年先の要求まで検討し、製造をファクトリー化せよ。参考:「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」アンドリュー・S・グローブ著 収益力を高めよ 新製品の開発を続けるとともに、コストを減らし生産力を向上させて、収益力を高め、競争力を強めよ。参考:「すばらしき株式投資」ピーター・リンチ著 利益を上げよ いかなる環境下においても利益を上げなければならない。投資対効果を重視せよ。利益なしに企業は存続できない。参考:「現代の経営」ピータードラッカー著、「GMとともに」アルフレッド・P・スローン著 企業文化を明文化せよ 「ビジョン」のもとに信頼と敬意、愛に根ざした文化を醸成せよ。参考:「ビジョナリー・カンパニー ZERO」ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著 チームを構築せよ 人間主義を徹底し、人を育て公正に評価し、知能労働に特化した偉大なチームを構築せよ。参考:「現代の経営」ピータードラッカー著、「ビジョナリーカンパニー」ジム・コリンズ著 顧客を第一にせよ お客がボスである。適正かつ倫理的に運営されている自由競争企業として人々の暮らしを向上させよ。参考:「私のウォルマート商法」サム・ウォルトン著 個の能力を高めよ 一人ひとりの生産性を高めるため、科学的管理(マネジメント)を徹底せよ。参考:「科学的管理法」フレデリック W.テイラー著 感情知能を高めよ 事業の成功には、認知能力、技術的専門能力、社会的スキル、感情知能が欠かせない。参考:「ビジネスEQ」ダニエル ゴールマン著 資本と信用を増やせ 長期にわたって勤勉に働き、倹約し、注意深く事業を進めよ。真の通貨である、労働に焦点を当てよ。参考:「国富論」アダム・スミス著 己の声に耳を傾けよ 周囲の情勢や人間関係に影響されず、己の「内なる声」に注意深く耳を傾け、資源の選択的分配を行え。参考:「空へ」ジョン・クラカワー著 自分の頭で考えよ 歴史、哲学、芸術、数学、科学を学び、自分の頭で考え決断せよ。他者との差異で競争せよ。参考:「危機の時代」ジム・ロジャーズ著、「僕は君たちに武器を配りたい」瀧本哲史著 質素に暮らせ 鉛を選ぶものは神の与え給うものを得べし。質素に暮らし、顧客への奉仕に集中せよ。参考:「ヴェニスの商人」シェイクスピア著、「私のウォルマート商法」サム・ウォルトン著 開拓者であれ 機会を開拓せよ。機会を最大化できる自社の知識で勝負せよ。参考:「創造する経営者」ピータードラッカー著 誠実であれ 誠実さを価値基準の土台とせよ。誠実さより大切なものはない。参考:「わが経営」ジャック・ウェルチ著 正義と善行に励め 策略は不敵な心構えに根差している。正義、善行は豊かな利を生む。人類のため社会のための創造的活動に絶えず努め励め。参考:「ファウスト」ゲーテ著 自由を追求せよ それぞれが自身の行動に責任を持ち、自由、平等、正義を追求せよ。参考:「国富論」アダム・スミス著 変化に適応せよ 種の保存は、自然選択と適者生存の上に成り立っている。地に足を付け、環境の変化に適応せよ。参考:「種の起源」ダーウィン著 改善せよ 人間は知識を求め徳に従うべく生まれた。悔い改め、信仰によって救いを求めよ。参考:「神曲(地獄編)」ダンテ著 社会の一員として行動せよ 全ての人間は自己自身の主人である。人に寛容になり、自由と平等を追求し、人々の世論を正しくせよ。参考:「社会契約論」J.J. ルソー著 (当記事執筆者:辻中 玲)

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「1日6食時代」マーケティングセミナー

マーケティングセミナー【インテージクオリス・MarkWeb】Topic1 ~1日6食時代の「三食以外」とは何か~(オンラインセミナー)に参加しました。 登壇者:株式会社 ショッパーファースト シニアフェロー 辻中俊樹氏    株式会社 インテージクオリス マーケティングリサーチャー・マーケティングコンサルタント 小関久美氏 コロナ禍で顕在化された新しい「食」の在り方に関する話題を中心に、マーケティングや定性調査に関する内容でした。 多数の定性調査に基づく食シーンの実態から見ると「主食と副食」「和洋中」などという概念がなくなり、食シーンの組み立てが自由になっている。 例えば、朝昼晩の時間がずれ、流通菓子・手作り菓子・もらいものの菓子・高級菓子などが並列して様々な時間に食べられている。また、様々な時間や場所で出現する飲料も多彩である。 そのような事実から事象の持つ価値を的確に捉えるためには、TPOPPというフレームワークの使用が有効である。これは、特定の事象を、Time(時間帯)、Place(場所・空間)、Occasion(事情)、Product(商品等)、Psychology(心理的効用)の要素に分解して捉える手法である。(例:“ある朝に食べたアップルパイと雑炊”「午前6:30」「自宅のダイニング」「お腹がすいたので軽く」「手作りした残りのアップルパイと前日の鍋の残りのスープで作った雑炊」「美味しく残り物も片付いた」のように分解することができる。さらにその後、AM10:30に会社のデスクで、通勤電車から降りた後にコンビニで買った、サンドイッチとコーヒーを喫食したりする…これがいわゆる「1日6食時代」のシーンといえる ※本例は参加者の理解から作成) 新型コロナ禍で、移動が停止状態に追い込まれ経済社会リズムが崩れている。コロナ後では、コロナ前の状況に戻る部分もあると言われるが、戻る位置が違うと認識しておく必要がある。 具体的には、コロナ前から顕在化しつつあった「自然」と「生活行動」の関係性は重要性が高まる。本来人間は自然と一体となった生活に価値を持っている。自然のリズムと人の行動は関係しており、その切り口はマーケティングに活用することができる。例として、天気や歳時など自然のリズムに合わせた切り口がある。 マーケティングにおいて、例えばサブスクリプションのように日常生活に自然に入り込む(存在する)ことが重要となっている。価値の押し付けは受け入れられにくくなる。 生活行動を観察し、十人十色を前提としたペルソナづくりが必要となる。無意識や不意な行動から価値を発掘するのは、定性調査が得意とする領域である。 その他、弁当、新玉葱、コインランドリーとパンの関係、健康ではないプラントベースの売り方などについて、約70分にわたり様々なお話がありました。 「TPOPP」のフレームワークは、弊社のサービスにも取り入れており、創造活動における様々なシーンで応用が可能です。また、「自然のリズムに合わせた生活行動」や、「サブスクリプション」についても、引き続き研究していきたいと思います。   次回は、電車や駅のあり方などを中心にさらに掘り下げたセミナーが開催されるとのことです。詳細は、インテージクオリスやショッパーファーストのサイト等で、適宜案内があるかと思います。マーケティングリサーチの中でも特に定性調査ご興味をお持ちの方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。 また、現在本テーマに関連した研究プロジェクトが進んでおります。ご参加をご希望のお客様にはご案内を差し上げますので、弊社までお問い合わせください。

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「ビジョナリーカンパニー -弾み車の法則-」で自社の弾み車を考える

「ビジョナリーカンパニー -弾み車の法則-」(ジム・コリンズ著 土方奈美訳 日経BP)から、経営のポイントを紹介します。本書は、経営書の「ビジョナリーカンパニー」シリーズの要約版となっており、手軽に読めるよう91ページでコンパクトにまとめられています。同シリーズでは一貫して規律の重要性を説いており、本書においても「真の規律には、あるべき価値観やパフォーマンス基準、長期目標と矛盾するような同調圧力をはねのける精神的な独立性が必要である」としています。本書で解説されている、経営にとって重要なポイントを以下にいくつかご紹介します。 本物の規律とは自己規律のみである 規律の文化と起業家精神を組み合わせることで成果が生じる 最高の人材なき最高のビジョンは無意味である 偉大な会社は関与したコミュニティに貢献する 偉大な企業の貢献は他の組織では容易に埋められない 偉大さとは終点なきダイナミックなプロセスである また、本書は「ビジョナリーカンパニー② -飛躍の法則-」で解説された「弾み車の概念」がテーマとなっており、本書にはいくつかの企業の弾み車の事例が登場します。 これを元に当社の弾み車について具体化したものが下記です。1〜6を繰り返すサイクルが当社の弾み車です。 成功体験を蓄積して顧客に提供する 顧客のビジネスが発展する さらなる施策を実施するため追加の依頼を受ける 業務を効率化しキャパシティーを増やす 対応できる顧客が増加する より多くの仕事をした中から成功体験が生まれる デザイナーやクリエイターが市民権を得つつあるなかで、デザインに携わる企業はそれぞれが真の規律を構築し、規律を重視して経営に取り組まなければなりません。当社の弾み車の上部に「成功体験の顧客への提供」がある理由は、顧客のビジネスが発展することは、延いては経済の活性化に繋がると考えているためです。経済が活性化すること(価値が創出されること)で、人々の暮らしが豊かになります。その活動へのコミットメントが企業には求められているのではないでしょうか。 当社では成功体験の蓄積や業務効率化のために、社内に顧客管理や業務管理などの様々なシステムを整備しています。当社の取り組みの中には、通常では説明のつかない抜群にコストパフォーマンスの高い広告手法が生まれています。その手法やエッセンスを各顧客へと還元するプロセスの構築に取り組んできました。長きに渡り継続していく取り組みではありますが、成功体験の循環の成果が各種プロジェクトで現れはじめています。 皆様も是非、自社の弾み車の可視化に取り組んでみてはいかがでしょうか。そのヒントが得られる本書のご一読をお勧めします。 さらに「弾み車の法則」の効果と合わせて理解すべき概念が「ビジョン(コアバリューと理念・パーパス・ミッション)」です。「ビジョン」の解説は、2021年8月に発売された最新刊「ビジョナリーカンパニーZERO」の内容を基に解説しています。こちら(「ビジョナリーカンパニー ZERO」で自社のビジョン・戦略を考える)からご覧ください。 ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則 (当記事執筆者:辻中 玲) 「ビジョナリーカンパニー ZERO」でビジョン・戦略を考える ビジネスの本質を理解する「聖書」の価値観について

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「空へ」からリスク管理について考える

「空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」(ジョン・クラカワー著 海津正彦訳 文藝春秋)から、リスク管理を行う上でヒントになりそうなポイントを紹介します。本書は、1996年5月、多くの死者を出したエヴェレスト登山隊に参加し、九死に一生をえて生還した作家が描くエヴェレスト大量遭難の軌跡です。本書の事故についての詳細な記述は、クライミングにおけるいくつかの事実を示唆しています。 クライミングは危険さゆえに人を惹きつける 事故はつまり「人間の過ち」である 周囲の情勢や人間関係により率直に行動できないことが危機を招く 小さな過ちが、ゆっくりと危機的な大きさに成長していく 計画を無視することが重大な結果を引き起こす要因となる 死なないために、己の『内なる声』に注意深く耳を傾ける必要がある (頂上を目前にして)引き返すか(アタックして)死ぬかの二者択一の場面においては、登山家・芸術家として前者に耐えられないという状況が発生する 過酷な状況下においては組織は解体し存在しなくなる 過酷な状況下においては(誰の命を救うかという)資源の選択的分配という状況が発生する これを経営に置き換えて考えると、リスク管理に通じるものがあります。経営においても、「人間の過ち」を防ぐためには、「内なる声」に耳を傾け、周囲の情勢や人間関係に影響されず率直に行動する必要があります。本書では、過酷な状況下においては組織は解体するため、所属する個人は自分自身に帰属することとなり、そこでは、すべて自己責任での判断を要するとしています。標高8,848メートルのエヴェレストでは、あらゆる判断は過酷な状況下で行われ、自己の命を守れない者は命を落とすことになります。 一方、経営においても、自然災害や疫病、テロなど過酷な状況が発生するリスクは常に存在します。近年BCP(事業継続計画)の策定が重要視されているのも、経営とリスク管理が切り離すことのできない関係にあることを意味しています。そのような緊急事態だけでなく、経済情勢の悪化や、業務上の事故など備えるべき点を挙げればきりがありませんが、リスク管理の意識を持って経営に取り組むことは非常に重要です。 本書では、クライミングにおいては「最も過酷なルートに、最少の装備で、考えられるかぎりもっとも大胆なスタイルで組み付いていったとき、名声をえる」とされています。経営に置き換えて考えると、会社が倒産することが賞賛されることはないため、この点はスポーツと経営が全く異なる点といえそうです。経営が組織の機関によるもの、スポーツが根本的には個人の機関によるものという本質的な違いによるのかもしれません。 本書は、経営書「ビジョナリーカンパニー4」(ジム・コリンズ著 日経BP)のモチーフになったものであり、リスク管理について多くを学べる内容となっていますので、是非ご一読を勧めします。 (当記事執筆者:辻中 玲) 空へ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫) Amazonで見る ビジネスの決断を助ける「易」という哲学について ビジネスの意思決定を支えるアリストテレスの哲学「ニコマコス倫理学」の要約

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「ビジョナリーカンパニー4」に学ぶ経営に必要な5つのポイント

「ビジョナリーカンパニー4 自分の意思で偉大になる」の内容を5つのポイントに要約して解説していきたいと思います。 1.「規律」「規律」があることによって、一貫した価値観、そして一貫したペースを維持できるようになります。「規律」は一貫している限りは、必要に応じて変更していくことができるとされています。 2.「実証主義」小さな取り組み、小さなプロジェクトをいくつも行ってその結果に基づいて一気にどこに投資するかという大きな投資判断をするということが重要だとされています。これが、成功確率を高め、またリスクを最小化して投資判断をする方法だと解説されています。 3.「危機管理」常に、万が一に備えておくことが重要です。危機的な状況に対応するための余力を常に持っている必要があるとされています。これには、保守的なバランスシートが重要です。借入そして資産のバランスをコントロールして、そして潤沢な手元資金がある状態にする必要があります。 4.「行動基準」自己利益のために行動するのではなく、社会に貢献するという「大義」に基づいて行動することが大事になります。これによって創造性を最大化することができると解説されています。その上で、幸運からも不運からも、成功からも失敗からもしっかりと教訓を得て生き残って必ず偉大になるという強い意志が必要だとされています。 5.「人間主義」つまり企業を作るのも経営するのも人であり、偉大な企業をつくる方法は、つまり偉大な人たちと一緒に活動することだと解説されています。社員、スタッフ、メンバー、その適材こそが最重要な資産であり資源であるという、このテーマは、ビジョナリーカンパニーシリーズで一貫しているメッセージでもあります。 “自分の意思で偉大になる”という大きなテーマを掲げた「ビジョナリーカンパニー4」ですが、数々の企業研究に基づいて、経営のポイントがわかりやすく解説されています。ぜひ、ご一読をおすすめいたします。 (当記事執筆者:辻中 玲) ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる Amazonで見る 【聖書要約】世界視点を養うための「聖書」への理解について ビジネスの決断を助ける陰陽哲学「易」について

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「経営は実行」に学ぶ経営の3つの鉄則

今回は、経営者やリーダーに向けて書かれた書籍「経営は実行 -明日から結果を出すための鉄則-」の内容について、簡単に説明していきます。 この書籍では、経営で最も重要な下記の3つの要素が柱となっています。1. 「人材」2. 「戦略」3. 「業務」つまり、良い人を集め、計画をたて、業務を改善していくことが経営の鉄則であるということです。 1つ目の「人材」については、上下関係の壁を超えて、率直に議論できる組織が良いとされています。社員の実績を公正に評価して、役職や報酬に連動させる、これが、人材育成の鉄則であるということです。 2つ目の「戦略」は、状況を正確に把握した上で、社員の改善案も取り入れながら現実的な戦略を立てることです。戦略は簡潔にして組織で共有して、そして、継続的にフォローしていく必要があります。 3つ目の「業務」についてですが、社会のニーズに対応した差別化された商品、または新商品を通して未来に新しい価値を創造していくことが必要であると解説されています。 経営に重要な3つの要素ですが、これを実行に移していくためには、リーダーの役割が非常に重要になります。リーダーは、人を育て、そして計画をたて、業務を改善する、この3つの仕事を通して経営を行っていきます。リーダーを中心にして社員が目標を共有して協力して組織を発展させていくことが成功の秘訣であるということです。 本書に登場するのは大企業の事例ではありますが、組織の規模を問わず経営者やリーダーの皆さまにはお勧めの内容となっていますので、是非ご一読をおすすめいたします。 (当記事執筆者:辻中 玲) 経営は「実行」〔改訂新版〕 Amazonで見る ビジネスの決断を助ける「易」という哲学について ビジネスの意思決定を支えるアリストテレスの哲学「ニコマコス倫理学」の要約

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「イノベーションのジレンマ」からニッチビジネスについて考える

「イノベーションのジレンマ」(クレイトン・クリステンセン著 玉田俊平太 監修/伊豆原 弓 訳 翔泳社)から、ニッチビジネスを成功させるヒントになりそうなポイントを紹介します。本書は、ハーバードビジネススクールの看板教授として活躍した故クレイトン・クリステンセン教授の代表作で、破壊的技術が起こるプロセスを多くの事例研究に基づいて詳細に解明したものです。 本書によると、持続的技術を得意とする企業には下記の特徴があります。 顧客の声に耳を傾ける。 求められたものを提供する技術に積極的に投資する。 利益率の向上を目指す。 小さな市場より大きな市場を目標とする。 そのため、持続的技術を得意とする企業が破壊的技術に直面して市場のリーダーシップを失う原因は「企業規模とその企業の最重要顧客」にあると結論づけています。 一方、破壊的技術に関しては下記の特徴があります。 単純、低価格、高信頼性、便利であることが最大の価値基準である。 事業は学習のための計画である。 技術的な挑戦ではなく、マーケティング上の挑戦である。 製品、機能、スタイルを短期間に低コストで変更できる製品プラットフォームがある。 初期の市場は調査ではわからないため「市場に関する情報で役に立つのは実際に代金を払う現実の人びとに現実の製品を売ることによって得た情報だけである」とされています。これは、事実に基づいて行動し、失敗から学び、改善を重ねることを前提にビジネスを構築しなければならないことを意味しています。 不確実な中でもビジネスを成功させるためには「顧客の需要の軌跡と、自社の技術者の供給の軌跡を両方理解する必要がある」ということです。これは、先見の明と自社のビジネスに対する深い理解の両方が欠かせないということです。 立ち上がり時はニッチビジネスであったのにも関わらず、破壊的イノベーションとして大きく発展し社会を変えていくというストーリーは、いつの時代も起業家を魅了します。破壊的イノベーションのプロセスを理解することで、経営者や起業家にとっては経営判断の大きな助けとなることと思います。是非ご一読を勧めします。 (当記事執筆者:辻中 玲) イノベーションのジレンマ 増補改訂版 Amazonで見る ビジネスの決断を助ける「易」という哲学について ビジネスの意思決定を支えるアリストテレスの哲学「ニコマコス倫理学」の要約

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「種の起源」から経営について考える

博物学の幅広い基盤の上に立つ、ダーウィンの著作「種の起源」より、経営に適用しうるエッセンスがないか探してみました。いくつかヒントになりそうな点を、以下に紹介したいと思います。 種の起源の最も主要な主張は次のようなものです。 自然は飛躍しない つまり、生物は約38億年前に誕生してから、自然選択により長い時間をかけて進化してきたということです。種の保存が、自然選択と適者生存の上に成り立っており、突然生まれ出た(神によって創造された)種はないというのが、進化論の重要な要点となります。 さらに興味深い点が下記の記述にあります。 かつて地球上に生存した生物はすべて、おそらく、生命が最初に吹きこまれたある一個の原子形態からゆらいしたものであろうと、推論せざるをえないのである。(中略)現生生物のあらゆる種類はシルリア紀よりずっと以前に生存した生物から系統をひく子孫であるから、われわれは、生殖による通常の継続はかつて途切れたことはなく、天変地異が全世界を荒廃させたこともないということを、確実であると感じてよいであろう。それゆえわれわれは、いくらかの自信をもって、それと同等に、想像できないほど遠いさきではあるが、確かな未来を、見とおすことができる。そして、自然選択はただおのおのの生物の利益によって、またそのために、はたらくものであるから、身体的および心的の天性はことごとく、完成にむかって進歩する傾向を示すことになるであろう。「種の起源」(下)ダーウィン著・八杉隆一訳 岩波文庫 より つまり、あらゆる生物は一つから始まったというものです。そして現存する生命は、最初の生命が誕生した約38億年前から途絶えたことがないため、これから先も長く進化しながら生存していくというものです。ダーウィンのいう未来が38億年先であるとしたら、私たちの子孫つまり進化した人類は38億年先にも存在しているということになるのです。 さて、話は変わりますが、これを経営に置き換えると、誰かしらの何らかの意図を持って創造されたビジネスは存在し得ないと解釈できます。突然のアイデアやひらめきで生み出されたように見えるビジネスも、必ず何らかの歴史(基盤)に基づいた連続性を持っているということになります。その法則に従うのであれば、いわれのない空想や幻想を経営に持ち込むことはせずに、社会の環境に適応できるよう広い視野を持ちながらも、目の前の業務をコツコツとこなしていくことが、生存競争に勝つための最も確実な方法ということになるのではないでしょうか。 企業は、社会に必要とされ、また環境に適応してこそ存在し続けることができます。未来を見据えて日々の取り組みに改善を加え、延々と進化し続けてこそ、未来に存在する企業となれるのだと思います。「種の起源」(上・下/ダーウィン著・八杉隆一訳 岩波文庫)は、経営者の方はもちろんですが、日々新しい価値を生み出すことを職業とするクリエイターの皆さまにも是非お読みいただきたい名著です。 (当記事執筆者:辻中 玲) 種の起原 上(岩波文庫) Amazonで見る 種の起原 下(岩波文庫) Amazonで見る ビジネスの決断を助ける「易」という哲学について ビジネスの意思決定を支えるアリストテレスの哲学「ニコマコス倫理学」の要約

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SEOを成功させる3つのポイント

①適切なキーワードを選ぶ売りたい商品やサービスをユーザーが検索しようとした時に、どのようなキーワードで検索するかを逆算して、商品やサービスに2つか3つ程度のキーワードを設定するということが大事になります。このキーワードでホームページを作っていくことになりますので、この作業をしっかりと行いましょう。 ②良いコンテンツをつくるお客様にとって、高速で表示されて、モバイルでもわかりやすく、安全な通信が確保されていて、内容もわかりやすいコンテンツが、実は検索エンジンにもわかりやすいコンテンツとしてページの評価が高まります。 ③継続的な改善を行っていくどのようなキーワードでお客様がホームページにアクセスして、どのような行動を取ったかということは、アクセス解析をしっかり行っていけば把握できます。その情報を元に継続的な改善をしてください。 また、新しい情報を継続的に発信していくことが大事です。そのためには、長期的な取り組みが必要になりますが、ここで運営者側にかなりの熱量が要求されます。長い間、継続的に取り組むことができる、テーマ、キーワードを初期段階からしっかりと設定していくことが重要です。 これら3点に取り組んで検索エンジンの上位表示を目指していただければと思います。

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フリーランスの生産性を落とす3つの過ち

フリーランスのデザイナーがやりがちな3つの過ちについて解説します。 1. 仕事をくださいと言ってしまう仕事をくださいというスタンスで行ってしまうと、相手と自分の間に格差を作ってしまいます。自分の価値を下げてしまうと、単価も上げ上げ難い、言いたいことも言い難いということで、非常に生産性が落ちます。 2. 不要な異業種交流会に入ってしまう異業種交流会の中には、時間もお金も奪った上に、学びも特に無いものもあります。自分に合わない異業種交流会に入らない。もし、入ってしまったことに気づいたなら、すみやかに退会することをお勧めします。 3. 自宅やカフェで仕事をする自宅で仕事をすると、引きこもりがちになり、どうしても視野が狭くなります。つまり生産性が落ちていきます。一方カフェで仕事すると、周りが赤の他人で不特定多数に囲まれていることで、自分の行動が制限されてしまうというデメリットがあります。制限されると良いアイデアも浮かび難く、生産性が落ちます。 友達や先輩などのオフィスに間借りするなどはおすすめです。そこで必然的にコミュニケーションが生まれ、仕事の話に発展するかもしれません。孤立せずに仲間と同じ時間を過ごすことが大事だと思います。 フリーランスの方は、是非この3つを実践していただきたいと思います。

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