「ビジョナリーカンパニー -弾み車の法則-」で自社の弾み車を考える

「ビジョナリーカンパニー -弾み車の法則-」(ジム・コリンズ著 土方奈美訳 日経BP)から、経営のポイントを紹介します。本書は、経営書の「ビジョナリーカンパニー」シリーズの要約版となっており、手軽に読めるよう91ページでコンパクトにまとめられています。同シリーズでは一貫して規律の重要性を説いており、本書においても「真の規律には、あるべき価値観やパフォーマンス基準、長期目標と矛盾するような同調圧力をはねのける精神的な独立性が必要である」としています。本書で解説されている、経営にとって重要なポイントを以下にいくつかご紹介します。

  • 本物の規律とは自己規律のみである
  • 規律の文化と起業家精神を組み合わせることで成果が生じる
  • 最高の人材なき最高のビジョンは無意味である
  • 偉大な会社は関与したコミュニティに貢献する
  • 偉大な企業の貢献は他の組織では容易に埋められない
  • 偉大さとは終点なきダイナミックなプロセスである

また、本書は「ビジョナリーカンパニー② -飛躍の法則-」で解説された「弾み車の概念」がテーマとなっており、本書にはいくつかの企業の弾み車の事例が登場します。

これを元に当社の弾み車について具体化したものが下記です。1〜6を繰り返すサイクルが当社の弾み車です。

  1. 成功体験を蓄積して顧客に提供する
  2. 顧客のビジネスが発展する
  3. さらなる施策を実施するため追加の依頼を受ける
  4. 業務を効率化しキャパシティーを増やす
  5. 対応できる顧客が増加する
  6. より多くの仕事をした中から成功体験が生まれる

デザイナーやクリエイターが市民権を得つつあるなかで、デザインに携わる企業はそれぞれが真の規律を構築し、規律を重視して経営に取り組まなければなりません。当社の弾み車の上部に「成功体験の顧客への提供」がある理由は、顧客のビジネスが発展することは、延いては経済の活性化に繋がると考えているためです。経済が活性化すること(価値が創出されること)で、人々の暮らしが豊かになります。その活動へのコミットメントが企業には求められているのではないでしょうか。

当社では成功体験の蓄積や業務効率化のために、社内に顧客管理や業務管理などの様々なシステムを整備しています。当社の取り組みの中には、通常では説明のつかない抜群にコストパフォーマンスの高い広告手法が生まれています。その手法やエッセンスを各顧客へと還元するプロセスの構築に取り組んできました。長きに渡り継続していく取り組みではありますが、成功体験の循環の成果が各種プロジェクトで現れはじめています。

皆様も是非、自社の弾み車の可視化に取り組んでみてはいかがでしょうか。そのヒントが得られる本書のご一読をお勧めします。

さらに「弾み車の法則」の効果と合わせて理解すべき概念が「ビジョン(コアバリューと理念・パーパス・ミッション)」です。「ビジョン」の解説は、2021年8月に発売された最新刊「ビジョナリーカンパニーZERO」の内容を基に解説しています。こちら(「ビジョナリーカンパニー ZERO」で自社のビジョン・戦略を考える)からご覧ください。

diinc.の弾み車

(当記事執筆者:辻中 玲

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