「ビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす」(ダニエル ゴールマン著 梅津 祐良訳 東洋経済新報社)から、組織運営のポイントを紹介します。本書によると、EQ(Emotional Quotient)は心の知能指数のことで、EQはビジネスで成功するための要素としてIQ(Intelligence Quotient ※知能指数)の3倍の貢献度を持つとしています。
IQが高い人は「頭の切れる人」、EQが高い人は「空気が読める人」であるとすれば、空気が読めることはビジネスで成功するためには欠かせない要素であると言えます。
本書では、自己管理のためのヒント、企業(組織)マネジメントのためのヒントが数多く紹介されています。本書から、それぞれの重要なポイントをご紹介します。
自己管理のためのヒント
- 5つのEQの領域とは「自己認識」「自己統制」「モチベーション」「共感性」「社会的スキル」である
- タイムマネジメントは、時間の空費を排除する、自分を向上させるという達成意欲に支えられる
- 競争と継続的改善に対する情熱を備える
企業(組織)のマネジメントに関するヒント
- 組織の全てのレベルで不確実性に対して柔軟に対応する能力が要求される
- アイディアは協調から生まれ、能力の多様性は技術上の要求からはじまる
- 企業の目的のなかに「人間的側面」と「財務的側面」をバランスさせる
- 基本的戦略に組織全体でコミットする
- 組織内での「協力」「支援」「リソースの共有」を実現し、「イノベーション」「リスクテーキング」「組織学習」を促す
- 「認知能力」「技術的専門能力」「社会的スキル」「感情コンピテンス」に焦点を当て人的資産をマネジメントする
- すべてのステークホルダーとの間にオープンなコミュニケーションと信頼を築く
- 社内外に諸関係を築いてネットワーク化し、業績の向上に全員のエネルギーを集中させる
- 将来パートナーとして活躍できる人材、情熱あふれる家族的メンバーを雇用する
- 企業と人材との関係は、相互間の忠誠心という一語で言い表せる
事業の成功には、認知能力、技術的専門能力、社会的スキル、感情コンピテンス(感情能力)が欠かせないことが理解できます。皆様もEQを重視したマネジメントに取り組んでみてはいかがでしょうか。そのヒントが得られる本書のご一読をお勧めします。本書の詳細は下記からご覧ください。
(当記事執筆者:辻中 玲)